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「ファーマシーテクニシャン」制度の導入が薬剤師に与える影響

2021年1月29日更新

トピックス

  • ファーマシーテクニシャン(調剤補助)は医薬品のピッキングや一包化などで薬剤師を補佐する仕事
  • 薬剤師以外のスタッフに事務作業を任せることで、医療サービスの向上が期待できる
  • 薬剤師には今後ますます、コミュニケーション能力やマネジメントスキルが求められる

 厚生労働省は平成31年4月に通知した「調剤業務のあり方について」という文書の中で、一定条件を満たせば薬剤師以外のスタッフがピッキングや一包化などの補助作業を行っても差し支えないとする方針を発表しました。こうした補助作業を担う「ファーマシーテクニシャン」制度の導入が現実となれば、薬剤師の仕事にどのような影響があるのでしょうか。

今、調剤業務のあり方が見直されている

 薬剤師法では、薬剤師以外が調剤業務にあたることは、医師などが自ら調剤する場合を除いて禁じられています。しかし調剤業務の範囲については明確な基準がなかったため、薬剤師は処方監査や調剤した医薬品の説明といった「対人業務」のほか、医薬品の在庫管理や処方薬の計量といった膨大な「対物作業」をこなす必要がありました。

 高齢化により医療サービスの担い手不足が深刻化する昨今では、調剤機器や監査支援システムを活用した業務効率化が進められています。薬剤師以外のスタッフによる調剤作業の補佐についての議論も活発になっており、平成31年4月に厚生労働省が明らかにした上記の方針は、こうした流れを受けてのものといえるでしょう。

「調剤業務のあり方について」の中で、一定の条件を満たせば薬剤師以外のスタッフが実施しても差し支えないとされた業務には以下のようなもの(一例)があります。

  • PTP シートまたはこれに準ずるものにより包装された医薬品のピッキング ※薬剤師以外のスタッフが軟膏剤や水剤などの医薬品を計量、混合することは、たとえ薬剤師による途中確認があっても引き続き薬剤師法違反となる
  • 薬剤師による監査の前に行う一包化した薬剤の数量確認
  • 納品された医薬品を調剤室内の棚に納める行為
  • 調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カートなどへ入れる行為
  • 電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する行為

ファーマシーテクニシャン制度を導入するメリット

 欧米の医療機関には、薬剤師の指導の下でピッキングや一包化などの補助作業を行う専門スタッフ「ファーマシーテクニシャン」が配置されています。ファーマシーテクニシャン(調剤補助)やそれに準じるスタッフが一部の調剤業務にあたることで、薬剤師は専門性を必要とする対人業務に集中できるようになるでしょう。

「調剤業務のあり方について」では、薬剤師が先に服薬指導を行っていれば、薬剤師以外のスタッフが患者の居宅などに調剤した薬剤を郵送することも認められました。薬剤師以外のスタッフが調剤業務を補佐するようになれば、「薬局での待ち時間が減る」「薬を家まで届けてもらえる」など利用者側のメリットも少なくないでしょう。

ファーマシーテクニシャン制度の導入で懸念されること

 ファーマシーテクニシャン(調剤業務に関わる薬剤師以外のスタッフ)の導入で絶対にあってはならないのが調剤ミスです。厚生労働省は、薬剤師以外のスタッフが補助業務にあたるための前提として以下のような条件を提示しています。

  • 薬剤師の目が現実に届く限度の場所で実施されること
  • 処方箋に基づいて調剤した薬剤の品質等に影響がなく、調剤した薬剤を服用する患者に危害の及ぶことがないこと
  • 当該業務を行う者が、判断を加える余地に乏しい機械的な作業であること

これらの条件に当てはまる場合も、「調剤した薬剤の最終的な確認は、当該薬剤師が自ら行う必要がある」として事故防止に努める考えです。

ほかには、薬剤師以外のスタッフが調剤業務の補佐に関わることで、処方箋1枚あたりの技術料が値下げされることを懸念する声もあります。技術料が値下げされるかどうかは定かではありませんが、薬剤師として仕事をするならファーマシーテクニシャンを導入することのメリットとデメリットの両方を理解しておく必要があるでしょう。

ファーマシーテクニシャンの監督も薬剤師の仕事に

 調剤業務の範囲について明確な基準が示されたことで、薬剤師以外のスタッフも一部の調剤業務に関われるようになりました。薬剤師は対人業務に労力を割けるようになりますが、新たに薬剤師以外のスタッフへの指導や、調剤の最終確認などの作業も生まれます。薬剤師には今後ますます、コミュニケーション能力やマネジメントスキルが求められるようになるでしょう。


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監修者のご紹介

星野 匡宣(薬剤師)

1998年、昭和薬科大学卒。多摩大学大学院にてMBA取得。
調剤薬局チェーンにてマネージャーを経験後、2009年にファーマリンクに入社。現在は、2023年にファーマリンクと合併したブラン・ド・ブランの執行役員。キャリアカウンセラーとしても活躍中。

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