ファーマシーテクニシャンが導入されている海外の事例を紹介します。

ファーマシーテクニシャン(調剤助手)が導入されている海外の職場

トピックス

  • 欧米では日本で導入が検討されている「ファーマシーテクニシャン(調剤助手)」がすでに活躍している
  • 欧米のファーマシーテクニシャンは研修や資格取得によって専門知識を身につけている
  • 日本ではファーマシーテクニシャン制度の導入と薬剤師の職能拡大の両方を考える必要がある

 「ファーマシーテクニシャン(調剤助手)」という職業は日本ではまだほとんど認知されていませんが、欧米ではすでに薬剤師をサポートする職業として調剤業務に欠かせない存在となっています。海外のファーマシーテクニシャンはどのような知識・技能を身につけているのでしょうか。

海外のファーマシーテクニシャンの業務内容

 ファーマシーテクニシャン(調剤助手)とは、薬局や病院で働き、患者さんに処方薬を出す薬剤師を補佐するスタッフのことです。日本には処方せんの受付や会計、レセプト作成を行う「調剤事務管理士」という職業がありますが、欧米のファーマシーテクニシャンは一般的な調剤事務管理士よりも広い職務上の能力を持っています。

アメリカの場合

 アメリカのテクニシャンは薬の調合やリフィル処方などの作業を任されています。日本では薬剤師のみに許されている自動調剤機の操作も行いますが、テクニシャンが処方薬を患者に渡す前には、薬剤師による最終確認が必要です。

 アメリカでは、患者や医療従事者から処方薬を出すために必要な情報を引き出したり、薬や備品の在庫を管理したりするのもテクニシャンの業務です。このほかに会計や保険の手続き、処方履歴の入力といった事務作業も行います。

 テクニシャンとして働くには試験の合格や教育プログラムの修了が必要です。多くの州ではOJTや大学、職業訓練学校での教育プログラムを通して、計算や記録保管業務、調剤の方法、薬事法などの幅広い知識を身につけます。薬の名前や用法・効用についても学んでいるのが、日本の調剤事務管理士との大きな違いといえるでしょう。

イギリスの場合

 イギリスの調剤薬局には、基本的に「薬剤師」「テクニシャン」「アシスタント」という3種類の人員が配置されています。薬剤師は管理者の立場であり、薬剤師よりも多い人数のテクニシャンとアシスタントで調剤業務の大部分を行っているのが特徴です。

 カウンター業務や調剤補助にあたるのは、資格を持たないアシスタントです。テクニシャンは2年程度の教育を受けた国家資格者で、薬剤師の監督の下で薬の発注や納品、ピッキングや一包化、カウンセリングなどを行います。薬剤師は、処方監査や臨床治療におけるガイドラインの作成・整備や薬学部生の教育などを行っています。

ファーマシーテクニシャンを日本に導入する場合の懸念

 アメリカやイギリスと比べると日本の薬剤師は業務の幅が狭く、調剤業務に追われて医療現場への提案や医療スタッフへの教育まで手が回らないことが課題となっています。近年では業務効率化のために、薬剤師以外のスタッフによる調剤補佐が条件つきで認められるようになりましたが、ファーマシーテクニシャンのような人員を設けるのであれば、薬剤師の職能拡大についても考える必要があるでしょう。

調剤作業の効率化と薬剤師の職能拡大が今後の課題

 薬剤師としてのキャリアアップを考えるなら、薬剤師以外のスタッフの職能拡大による薬剤師の負担軽減を喜ぶのではなく、高い専門性が求められるようになる将来に備えて自己研鑽に励むことが大切です。

 もし、「今の職場では自分の知識や技能が活かしきれない」と感じているなら、店舗運営や地域医療と密に関われる職場を探してみてはいかがでしょうか。ファーマリンクでは現役薬剤師のキャリアカウンセラーが、将来を見越した転職先を探すお手伝いをいたします。今後のキャリアのために転職をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

2019年6月12日掲載

監修:星野匡宣(薬剤師)

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