成長著しいCRO(開発業務受託機関)の業務内容とは

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CROとは何?業務内容や求められるスキルなど

2021年1月29日更新

トピックス

  • CROは「開発業務受託機関」のことで、新薬開発のなかでも主に治験業務をサポートする
  • CROではCRA(臨床開発モニター)をはじめ、データマネジメントなどの職種が在籍している
  • 未経験からCROの仕事に就く人もいるが、薬剤師の資格があると治験業務で重宝される

 医薬品の開発には、莫大な労力と時間がかかります。そこで、医薬品開発に関わる様々な業務を代行・サポートするのがCROの役割です。なかでも、人を対象として新薬の効果を確認する「治験」のサポートは重要な業務。CROの業務内容や、よく似ているCRA、CRCとの違い、CROで活躍するために必要なスキルを紹介します。

新薬開発を支える機関「CRO」とは?「CRA」「CRC」との違い

 CROは「Contract Research Organization」の略称で、日本語では「開発業務受託機関」と訳される組織です。

 医薬品の開発では、安全性や効能を確認する臨床試験の最終段階で人を対象とする治験が行われます。CROの主な業務は治験をサポートすることで、具体的には次のような業務があります。

  • 〇臨床試験の準備
  • 〇治験中のデータ収集
  • 〇治験薬投薬後の経過観察
  • 〇収集したデータの分析
  • 〇厚生労働省への承認申請書類の作成 など

 製薬会社から依頼を受けCROは数多くの業務を代行しますが、CROが担当する業務の範囲は、新薬開発の案件ごとに少しずつ異なります。

治験の進行を見守る職種「CRA」

 CRAは「Clinical Research Associate」の略称で、「臨床開発モニター」と訳します。CRAの多くはCROに勤務しており、治験の進行状況をチェックするのが主な仕事です。治験を行うには、厚生労働省が定めるGCP(Good Clinical Practice)というルールや、薬機法を遵守する必要があります。

医療機関、製薬会社、被験者を仲介する職種「CRC」

 CRCとは、「Clinical Research Coordinator」の略で、「治験コーディネーター」と訳されます。CRCの役目は、治験業務全般をサポートすることです。CRCは製薬会社と治験を受ける被験者の間に立って、治験が円滑に進むようにコーディネートします。

 具体的には治験のスケジュール調整、データに基づく資料作成などを行います。また、被験者に治験の詳細な内容を説明するのもCRCの仕事です。治験は製薬会社と医師、CRAなどが連携して行いますが、その調整役をするのもCRCの役目です。治験は長期間に及ぶ作業になるので、CRCは1件の治験を最初から最後まで受け持つのが一般的です。

医薬品開発の流れと「CRO」の業務

 新薬の安全性と有効性を確認するには、正確さが何より重要です。そのため、治験においても数多くのパターンのデータ収集が必要となります。また、新薬の発売後も追跡調査を行い、慎重にも慎重を重ねて安全性を確認しなければなりません。ひとつの医薬品の開発にかかる期間は9~16年※にも及びますが、その過程で法的手続きなども頻繁に発生するため、臨床試験をスムーズに行うためにはCROのサポートが不可欠です。

※日本製薬工業協会 てきすとぶっく製薬産業2016-2017

CROで働く職種にはどんなものがある?

 CROには、CRA(臨床開発モニター)のほか、症例データの管理を行うデータマネジメント、医薬品の安全情報の収集や評価を担うファーマコヴィジランスなどの人材がおり、それぞれが専門性を活かして業務にあたっています。治験の臨床データは膨大な量になるため、事務作業やチェック作業にもかなりの人手が必要です。このような仕事には専門知識は必要ないため、文系学科出身で業務に就く人もいます。

 また、派遣社員として勤務する人も多いのですが、実務をこなして経験を積むうちに、数年で現場のエキスパートに成長するケースもあります。このように、未経験でもCROの一員として働くことは可能ですが、薬剤師資格を持っていると治験のサポート等で非常に重宝されるので、「新薬開発で専門性を活かしたい」という薬剤師の転職先としておすすめです。

「CRO」での業務に求められるスキル

 CROは医療機関や製薬会社、検査会社などの関係各所と連携し、新薬開発を進める役割があります。そのため、特定の業務に関する高いスキルのほかにも、幅広い能力が求められます。また、治験には細かいルールが多いため、正確で緻密な作業をこなす能力も必要です。

コミュニケーション能力

 CROの業務では多くの機関、複数の部署の人とやり取りすることになるので、高いコミュニケーション能力が求められます。また、他部署と交渉が必要な場面もあるので、折衝力も必要です。

語学力

 現在は、語学力は「あればなお良い」というレベルです。しかし、CRO業界においてもグローバル化が進んでいるため、将来的には必須となる可能性が高いと見るべきでしょう。新薬に関する文献は和訳されていないものも多いため、新薬についてより深い知識を求めるなら、英語力も必要です。

パソコンスキル

 CROでは膨大な臨床データを扱うため、事務作業や単純なチェック作業も大量にあります。大量データを扱うにはパソコンを使って集計、分析が必要になるため、基礎的なパソコンスキルが求められます。エクセル、ワード、パワーポイントなどは、ある程度使いこなせるようにしておきたいものです。

倫理観

 CROが副作用情報を隠蔽したり、データを改ざんしたりするなど言語道断です。もしそのまま新薬が世に出回ってしまったら、治験では報告されなかった副作用が蔓延することにもなりかねません。治験中も患者の存在を感じながら、より良い薬を作りたいという熱意と冷静さを持つことが大切です。

 また、CROで働くCRA個人としては、患者や被験者のカルテを閲覧することもあります。カルテに書かれていることは個人情報ですから、取り扱いは慎重にしなければなりません。これらのことから、CRAには高い倫理観も必要といえます。

高収入を狙うなら「CRO」から製薬企業の「CRA」へステップアップを

 未経験からCRA(臨床開発モニター)に転職した場合の平均年収は350万円~450万円、薬剤師からの転職なら400万円~500万円からのスタートといわれています。CROに勤務するよりも、製薬会社などの開発元で働くCRAのほうが年収が高くなる傾向があるので、年収アップを狙うならCROでスキルを身につけてから、製薬会社のCRAへの転職することも考えましょう。

 また、外資系の製薬会社ではさらに高収入が期待できますが、この場合は英語力が必須となります。外資系に入るには、TOEICで高得点を取得するなど、高い英語力を身につける必要があります。

新薬開発は市場が拡大し「CRO」の存在意義も高まる

 現在、世界中に3万種類もの病気が発見されていますが、そのなかにはいまだに原因もわからず治療方法も治療薬もない、未知の病気が数多くあります。また、原因もわかり治療法が確立されている病気でも、完全に治せるとは限りません。つまり、現在のところ、医薬品はまだまだ未完成であり、多くの人が新薬の登場を待ち望んでいます。

 近年では、オーファンドラッグ(患者数が少なく十分な研究が行われてこなかった疾患に対する医薬品)の開発や、iPS細胞技術とともに研究が進む再生医療分野の発展を受け、CROに期待される役割はどんどん広がっています。国内の市場規模を見ても、2000年からの16年間で売上高※を10倍以上に伸ばすなど、成長が見込まれる業界です。

※日本CRO協会会員企業の売上高

 CROは新薬の開発を待ち望む患者や、医療現場への貢献度の高いやりがいのある仕事です。今後も、医学や科学技術の発展に伴い、CROが担うべき役割はますます多彩になっていくでしょう。現在薬剤師で、薬局でも病院でもない職場をお探しの方は、医薬品開発の最前線に関わることのできる「CRO」での勤務を考えてみてはいかがでしょうか。

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監修者のご紹介

星野 匡宣(薬剤師)

1998年、昭和薬科大学卒。多摩大学大学院にてMBA取得。
調剤薬局チェーンにてマネージャーを経験後、2009年にファーマリンクに入社。現在は、2023年にファーマリンクと合併したブラン・ド・ブランの執行役員。キャリアカウンセラーとしても活躍中。

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