薬剤師業界のルーツ「医薬分業」が「薬薬連携」へ発展した経緯をご紹介します。

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薬剤師業界のルーツ「医薬分業」とは?「薬薬連携」に至るまで

2021年1月29日更新

トピックス

  • 「医薬分業」は医師が診察を、薬剤師が調剤を行うことで充実した医療提供を目指す仕組み
  • 「医薬分業」は、最低限の薬で最大の効果を上げるために必要なシステム
  • 近年では病院の薬剤部と調剤薬局薬剤師が情報を共有する「薬薬連携」が進められている

 病気やケガで医療機関を受診するときは、「病院で診察を受け、薬局で薬を受け取る」という流れが一般的です。診察は医師、調剤は薬剤師が独立して行うこの仕組みは「医薬分業」と呼ばれていますが、今日では役割分担が形骸化し、薬剤師が本来の役割を果たせていないことが問題となっています。そもそも「医薬分業」とは、どのように機能すべきシステムなのでしょうか。

「医薬分業」の意義とは

 医薬分業は薬の処方と調剤を切り離し、医師と薬剤師の役割を分担することで、充実した医療の提供を目指す仕組みです。現在から約800年前に、神聖ローマ帝国の統治者であったフリードリヒ2世が、毒殺を怖れて主治医の処方した薬を第三者にチェックさせたことがそのルーツと伝えられています。

 患者にとって薬剤師は「処方箋に従って薬を出してくれる人」かもしれませんが、医師の処方に間違いがないか問い合わせる「疑義照会」をしたり、それぞれの患者の服薬状況を見て医師へ薬の用量や副作用のフィードバックをしたりすることも薬剤師の役割です。薬剤師が処方箋の通りに調剤を行う「単なる作業者」になると、「医薬分業」の意味が薄れてしまいます。

日本に「薬剤師」が誕生したのは明治時代

 明治初期までの日本には薬剤師という職業がなく、開業医が患者に直接薬を出すのが当たり前でした。開業医の収益源としては診察料よりも薬剤料の割合が大きく、それゆえに過剰投薬と薬害が起こりやすい状況が続いていましたが、その状況を見かねたドイツ人医師が「医薬分業」の重要性を説いたことで、医師は処方箋を出すことで診察料を得るようになったという歴史があります。

 医薬分業は二度手間にも思えるシステムですが、最低限の薬で最大の効果を上げるために有効な仕組みといえるでしょう。

海外の医薬分業

 現在のドイツやオーストリアの位置にあった神聖ローマ帝国は、1240年に5か条の法律(薬剤師大憲章)を定め、医師が薬局を持つことを禁止しました。ドイツでは現在も「完全医薬分業」が機能しており、医師は患者に医薬品を直接渡すことができません。また、「薬局は営利目的のためだけに経営されるべきでない」という理念から薬局開設者には薬剤師の資格が必要で、他資本や外国資本によるチェーン店経営は認められていません。

 保険加入者が少ないアメリカでは、病院に行く前に薬局を訪ね、薬剤師に勧められた薬を飲んで様子を見る人も多くいます。アメリカの薬剤師が症状のカウンセリングや服薬指導などの対人業務に集中できるのは、調剤や事務など薬剤師の対物業務をサポートする「ファーマシーテクニシャン」の存在も大きいでしょう。

 日本において「ファーマシーテクニシャン」に当たる専門職は制度上まだ設けられていませんが、調剤業務の一部(ピッキングや一包化など)を薬剤師以外のスタッフに任せることで、薬剤師の対物業務を減らす仕組みづくりが進められています。

近年重要性を増している「薬薬連携」

 薬剤師の働き方が模索される中で、病院の薬剤部と地域の薬局が情報を共有する「薬薬連携」が進められています。薬薬連携のメリットは、薬剤師が患者の身近な相談役として在宅医療に介入することで、医療サービスのさらなる充実につながる点です。

 医師が患者に対して新薬やハイリスク薬を処方する際は、かかりつけ薬剤師が薬剤の服用状況や効き目を随時チェックすることで、重篤な副作用を防ぎながら患者の体質にあった処方を考えられます。また、薬剤師が医師とケアマネージャーをつなぐパイプ役となれば、多職種の意見交換が促され、互いのスキルの研鑽にも役立ちます。

薬剤師がチーム医療の一員として価値を発揮するために

 薬剤師が専門性を活かして地域医療に介入するには、チームとして患者を支える医師やケアマネージャーとの積極的な対話が必要です。しかし、薬剤師の多くは調剤業務に追われているので、薬局スタッフに調剤業務の一部を任せると同時に、情報技術や機械を活用した作業の効率化を進めることが検討されています。

 チーム医療の一員として活躍できる薬剤師になるには、かかりつけ薬局や健康サポート薬局など、地域の医療に密着した薬局で経験を積むのが望ましいでしょう。地域医療により深く関われる職場をお探しなら、薬剤師の転職・派遣をサポートするファーマリンクにご相談ください。

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監修者のご紹介

星野 匡宣(薬剤師)

1998年、昭和薬科大学卒。多摩大学大学院にてMBA取得。
調剤薬局チェーンにてマネージャーを経験後、2009年にファーマリンクに入社。現在は、2023年にファーマリンクと合併したブラン・ド・ブランの執行役員。キャリアカウンセラーとしても活躍中。

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