「ポリファーマシー問題」の解消に向けた、薬剤師の役割

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「ポリファーマシー問題」の解消に向けた、薬剤師の役割とは?

トピックス

  • ポリファーマシーとは複数の薬の服用で起こる有害事象
  • ポリファーマシーでは高齢者向けの対策が重要
  • 残薬管理と減薬でポリファーマシーを改善

 ポリファーマシーは日本訳をすると、「多剤服用」や「多剤併用」という意味の言葉になります。たとえば、複数の疾患を抱えている場合、それぞれの疾患に対して効能がある薬を服用する必要性があります。そうすると複数の薬を併用して服用することになりますが、それが原因で有害事象を引き起こすこともあるのです。

 では、ポリファーマシーにおいてどのようなことを留意すべきなのでしょうか。薬剤師に求められる役割と併せて、ポリファーマシー問題について解説します。

ポリファーマシー問題に関する基礎知識

 「ポリファーマシー」とは「poly(複数)」+「pharmacy(調剤)」の2つを組み合わせた言葉であり、複数の薬を飲むことによる有害事象の発生を表します。つまり、単に多くの薬を服用しているだけの場合は、ポリファーマシーではありません。複数の薬のそれぞれの作用によって健康被害が出ることがポリファーマシーなのです。

ポリファーマシーとは?

 何種類以上の薬を内服することでポリファーマシーになるという明確な定義はありません。一般的に5~6種類以上の薬を併用すると危険性が高いと言われますが、3種類でも問題が生じることもあれば、10種類でも異常がない場合もあります。つまり、疾患をお持ちの方がどんな作用がある薬をどれくらい服用しているかをきちんと把握し、必要以上に処方されないように注意することが大切です。

高齢者におけるポリファーマシーの影響は?

 ポリファーマシーが取り沙汰されている要因としては、日本において高齢化社会が急速に進んでいることが挙げられます。高齢者は複数の疾患を抱えていることも珍しくなく、疾患ごとに異なる病院に罹っているケースもあります。それぞれの病院でさまざまな薬が処方されることで、ポリファーマシーのリスクの増大が懸念されるのです。また、一般成人と比べて体力が落ちている高齢者の場合は、薬の作用による影響を受けやすい面も考えられます。そのため、よりセンシティブに処方を行う必要があります。

残薬の実態と残薬になりやすい疾患の薬剤は?

 ポリファーマシーでは、処方薬の飲み残しも問題となっています。多種類の薬を処方されることによって、正しい用量・用法を守って服用することができていないことが要因だと考えられています。薬は用量・用法を守ってこそ作用するものなので、飲み残しや飲み忘れによってポリファーマシーにつながることも珍しくありません。

 飲み残しが多い原因としては、患者側の心理状況も影響しています。処方される薬の数や量が多いとそれだけで安心してしまう方もいますし、「薬は多く手元に残しておきたい」と考える方もいるようです。そういう方々は薬をすべて飲み切ることをせず、飲み残しとなってしまうこともあります。こうした患者には、薬をきちんと服用することの意義と、用量・用法を守らないことによるリスクをきちんと説明してあげましょう。

 もちろん、こうした説明は薬剤師の重要な仕事だと言えます。特に飲み残しが起こりやすい疾患は、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病です。これらの病気に処方される薬は種類が多いため、うっかりすると飲み忘れが発生することになります。

 飲み残し防止のためには、薬剤師が行う服薬指導が有効です。薬剤師が服薬指導を行い、飲み残しを減らすためのコミュニケーションを患者としっかり取ることによって、ポリファーマシーの危険性についても伝えることもできます。日頃から患者との関係性を築くように努め、病気の症状だけでなく治療経過や生活状態まで把握できていると、より的確なアドバイスが行えるでしょう。

処方薬剤数が多い疾患は?

 処方される薬の数が多い疾患は、高血圧・糖尿病・脳梗塞などが挙げられます。高血圧患者の約3割以上が5種類以上の薬を服用していると言われています。ポリファーマシー解消のためには、上記3疾患の患者に対して、より注意を払って服薬指導を行うことが重要です。

ポリファーマシーの解決に向けた取り組み

 ポリファーマシーを解決するには、それぞれの薬の効能をきちんと把握したうえで正しく併用することが不可欠です。そのための具体的な取り組みには以下があります。

減薬

 病院では、病気の症状を抑えるために薬を処方します。そのため、症状が改善しなかったり悪化したりする場合は、薬を増やしたり種類を変えて、さらに強い薬を処方する傾向にあります。しかし、薬の量や種類が増えたり強い薬を処方されたりすると、ポリファーマシーのリスクが高まるでしょう。

 そこで検討すべきなのが「減薬」という概念です。必要以上の処方を減らし、薬剤過多による健康被害を防ぐには減薬が不可欠と言えます。ポリファーマシー問題解消においても、薬による作用の影響を考える範囲が少なくなることで有害事象が起こる危険性の低減が期待されます。

残薬管理

 ポリファーマシーがクローズアップされることで、残薬管理も大きな問題と取り上げられました。残薬の主な原因は飲み忘れによるもの。特に高齢者の場合は、年齢のせいでどうしても飲み忘れが増える傾向にあります。残薬の発生を抑えるには、薬剤師による患者への服薬指導が重要です。

お薬手帳の活用

 高齢者は複数の病院に罹っていることが多く、薬の服用状況を正しく把握できていないとポリファーマシーが起きやすいと言えるでしょう。必要以上の薬の服用は健康被害を引き起こす要因にもなり得るので、適切な残薬管理を行うためにも現在どんな薬を飲んでいるのか正確に確認する必要があります。

合剤の活用

 合剤とは、複数の薬の成分を1つの薬の中に配合した医薬品です。配合される成分は、似た効能のものもあれば、まったく異なる成分を配合する場合もあります。合剤のメリットは、複数の成分を組み合わせることにより、複数の効能が期待できることです。そして、合剤によって服用する薬の数を減らせるというメリットもあります。薬の数が減れば飲み忘れる恐れも少なくなるからです。

 ただし、合剤には副作用が出た場合に、原因がわかりづらいという難点もあります。また、複数の成分がすでに決まった量だけ含まれているので、個々の患者の症状に合わせた微調整がしにくい点も懸念事項と言えます。

在宅医療

 在宅医療には在宅薬剤師の存在が欠かせません。在宅薬剤師は自宅で治療中の患者に薬を届けたり、服用状況を管理したりする重要な仕事です。在宅医療を受けている患者は、自分で薬局に行って薬を受け取ることが困難な場合が多いので、薬剤師がより重要な役割を担います。また、薬を管理して服用方法を指導し、病状の経過を見守るのも薬剤師の役目です。薬の残量チェックや飲み残し、飲み忘れの確認などを一緒に行うことで、安心感を抱いてもらえることもあります。

 特に認知症を発症している患者の場合は、なおさら管理が難しくなります。また、現在は管理できていても、将来的に管理ができなくなることも想定されるでしょう。そういった経過を見守りながら、適切な指導やアドバイスができるのは在宅薬剤師だけなのです。

 さらに、嚥下障害によって薬が飲みにくかったり、それが原因で飲み残しが増えたりする状況も考えられます。こうした事態を改善するには、在宅訪問で患者をケアする薬剤師のサポートが欠かせません。そのため、在宅医療にやりがいを感じて在宅薬剤師を目指す人が増えています。ただし、薬剤師が在宅医療に従事するには、勤務する薬局が在宅医療に対応している必要があります。

薬剤師に求められる役割とスキル

 薬剤師は医師と患者の間に立って、処方や薬に関する情報や患者の治療状況などを双方に提供し、患者の治療が円滑に進むように取り計らわなければなりません。そのためには、常に薬や処方に関する最新情報や正しい知識を入手し、医師と患者の双方と密にコミュニケーションを取る必要があります。

 また、処方内容に疑問がある場合は、医師に対して疑義照会を行うのも薬剤師の重要な務めです。ポリファーマシーは、疑義照会によって防げることもあります。

「介在価値」が高い薬剤師を目指しましょう

 ポリファーマシーの解決に積極的に取り組む薬剤師は、高齢化社会となった日本では人材価値を高めやすいと言えます。現在のところ、ポリファーマシー問題に関わる薬剤師は、まだそれほど多くありません。だからこそ、医療と患者をつなぐ潤滑油となることで、介在価値を発揮できる薬剤師は高収入を得ることも夢ではないでしょう。

 キャリアアップを目指して転職を考えるなら、ぜひファーマリンクにご相談ください。なお、医療の現場は常に流動的です。2020年度診療報酬改定では、ポリファーマシー解消に向けた見直しが入る予定になっています。今後もポリファーマシーに関する動向から、目が離せない状況が続きそうです。

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2020年5月14日掲載


監修:星野匡宣(薬剤師)

監修者のご紹介

星野 匡宣(薬剤師)

1998年、昭和薬科大学卒。多摩大学大学院にてMBA取得。
調剤薬局チェーンにてマネージャーを経験後、2009年にファーマリンクに入社。現在、同取締役。キャリアカウンセラーとしても活躍中。

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